燃えしめよゆるがままに

歌が下手な話。

 

歌うのが好きだったので大学のときにアカペラサークルに入ったんだけどこれが大失敗だったわけですよ。

音感が悪いからハモんないの。みんな音楽経験者だからできない僕とは誰も組んでくれないの。習い事でだいたいやりたいってことをやらせてくれたんだけど、せまい団地で三交替していた父親のこともあってピアノをやらせてもらえなかったの。お小遣い貯めて買ったアイワのコンポが若干音低かったの。

カラオケの点数ってのは残酷で、それなりに歌えてかなって思ってもちゃんと現実を突きつけてきて、音感が悪くて誰も一緒に組んでくれなかった学生時代を思い出す。音を楽しむっていう言葉が嫌味に聞こえる。それなりの裕福な家庭じゃないと音楽ってできないんだなって今でも思ってる。

下手なりにもメンバー集めて楽譜にもドレミ書かないとわかんないくせに超素人の編曲して専門家にもちろんダメ出しされたのに4年間アカペラやり続けたのはやっぱ歌うのが楽しかったのかなって思う。

僕が誇りだったのは、ストリートライブ(笑)してたら、意外と僕が歌うときに子どもとかおじいちゃんおばあちゃんが集まってきてくれたこと。

カラオケ上手な人が集まるお店で、僕だけが90点を超えずに自分の今までを恨みながら、下手くそな僕の歌声のことを好きって言ってくれた数少ない人達のことを思い出したし、昔の嫌な記憶も思い出したし、カラオケで点数付けられるのって僕にとっては卑屈スイッチになりかねないからもうやめといた方がいいのかなって思った。